持続可能な地域医療を創る- 講演・ワークショップ(2013.6.8東京都内にて)
           -創造的問題解決技法を学んで使う-

0. 受講者の感想

1. 持続可能な解決には創造的問題解決が必要である
  医療事故が多発する場合、私たちは、その事故のみに注目して、解決しようとする。
学校で「いじめ」がしばしば発生する場合も、いじめのみに限定してそれを減らそうとする。
入園者数が激減し、閉園を余儀なくされそうな「動物園」においても、入園者数を増やす
ことのみに着目して、解決案を考える。
 しかし、表面に現れた問題の解決のみでは、少し時間が経つとまた問題が再現する。長期的な(持続可能な)
解決のためには、職場を構成する多数の関係者で、「真の問題」を探り、それを解決するための
方法を考え、実行することが必須となる。創造的問題解決が要求されるのである。

2. 福岡県糟屋郡久山町の持続可能な地域医療(予防医学)
  50年以上も前、久山町では脳卒中が多発した。これを減少させるために九州大学医学部は、解剖によって病因・死因を特定し、地域の病院、保健所、町の健康課、中村大学栄養学科、地域住民等と協力して予防医学を実施して住民生活習慣を変え、脳卒中を激減させた。そして持続可能な地域医療を現在も継続中である。最近、糖尿病の人は認知症になる危険性が、健康に人よりもはるかに高いという事実をデータで示して、注目を集めている。
 
3. 医療・看護の職場における持続的な問題解決
  人の命を預かる医療・看護の職場には、さまざまな問題が横たわっている。そのような問題の
持続的な解決には、関係する多職種の人が解決アイデアを出すことによって、問題を私(あるいは
私たち)のものとして捉え直し、責任をもって解決策を実行する勇気が必要である。すなわち、
創造的問題解決が要求されるのである。

4. 持続可能な地域医療を創る---講演原稿---