<論文名>創造性は領域特殊的か領域一般的か

教科における創造性教育を構想する
 
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この論文のポイント:
@授業で伸ばした創造性が、授業内容と類似の内容のみに限定されるとしたら、創造性育成を標榜する教育実践は、一から出直す必要があります。アメリカのBaer教授は20年をかけて、「ブレインストーミング」等で伸ばした創造性は、非常に限定的であることを実証しました。
A西欧の子どもの学習には「学び」と「創り」があります。創造性は「創りに含まれる」と弓野は論じています。詳しい説明は次のPDF-Bookにまとめられています ⇒  「学びと創りの心理学(PDF-Book)」
 このPDF-Bookには、児童・生徒の個性や創造性を伸ばす「ほめ言葉」が提案されている。
<語句説明>[領域一般的]
 創造性が領域一般的である」とは、知識・思考・認知等のある領域(例えば、言語、数学、物理などの一つの領域)で高い創造性をもつ人は、他の領域の創造性も高いという現象をいう。
[領域特殊的]
 創造性が領域特殊的である」とは、知識・思考・認知等のある領域(例えば、言語、数学、物理などの一つの領域)で高い創造性をもっていても、他の領域の創造性が高いとは限らないという現象をいう。
「課題特殊的」
 創造性が課題特殊的である」とは、知識・思考・認知等のある課題(例えば、言語、数学、物理などの一つの課題・授業等)で伸ばした創造性は似たような課題・授業等でのみ有効という現象をいう。
[Baer教授の結論]
 創造性は領域特殊的または課題特殊的である。

<Baer教授の結論に沿った教科の創造性教育>
 教科で育てられる創造性を明確にし、それを育成するのに適切な単元を選び、発問を工夫し、創造性につながるほめ言葉で児童の創り(創造性)を奨励する。