フロイトによれば、人間の心は、3つの領域からつくられているという。 「イド」「エゴ」「スーパーエゴ」とよばれる3つである。 最初に発達するのが「イド」である。
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「イド」とは…
イドは、第3者という意味であり、人の心の中にありながら、自分の思い通りにならない存在、意志によるコントロールができない心の領域である。それは、快楽原理によって支配され、おなかがすいたら泣き、おなかがいっぱいになったら、眠るというように、産まれたての赤ん坊にその原形をみることができる。ひたすら、心地よいもの、おいしもの、楽しさを追求する心である。
「エゴ」とは…
日本語では、自我といわれている。エゴは、快楽原理によってのみ、行動したとすると、たちまち、命があやうくなる。
例えば、おいしものをとるために、火の中でさえ、手をいれてしまうかもしれない。そのために、イドをコントロールする心の領域が発達する。 これが、エゴである。ある、赤ん坊は、自分の欲しいものが、赤々と燃える、火の向こうにあったので、直接、手を伸ばして、それをとろうとし、やけどをしそうになった。
・この赤ん坊は、自分のほしいものをどのようにして、手にいれたでしょうか?
赤ん坊は、自分のほしいものを手にいれるために、直接、手をのばすのではなく、自分が欲しいものほうへ、歩いて回っててにいれた。
イドをコントロールしながら、危険をおかさないで、ほしいもの、欲求をみたすための行動をうみだす、心の領域をエゴとよぶ。
「スーパーエゴ」とは…
日本語では、超自我といわれている。幼児期における両親の役割に代わるものとして、エゴの1部にできた、道徳的な部分。人がもっとすばらしい自分になりたいと思ったり、社会や人のために働きたいと思ったり、困っている人を助けたいと思ったりするのが、このスーパーエゴの働きである。しかし、このスーパーエゴが発達しすぎると、小さなことにも非常にきになって、社会になじむことが、難しくなる場合もある。
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